京都新聞より
命救え、AEDの普及映像を製作
東稜高放送部、全国大会で奨励賞
京都市伏見区の東稜高放送部の生徒たちが、AED(自動体外式除細動器)の普及・啓発を訴える映像ドキュメント「いのちのバトン」を制作した。運動中の心室細動で娘を亡くし、AEDの普及を訴え続ける福井県の女性のインタビューや亡くなった少女の生前の映像なども盛り込み、AEDを使用するための、小さな勇気と思いやりを持つことを訴えている。
映像作品を制作したのは、放送部3年の青山真之さんと2年の村田操美さん、東太郎さん、中辻迪香さん。
昨年、放送部がAEDを題材にしたラジオドキュメントの制作中、福井県でAEDの普及と啓発に取り組む川崎真弓さん(49)を知った。
川崎さんの娘の沙織さんは2002年9月、高校の体育祭中に心室細動で倒れ、16歳の若さで亡くなった。「AEDがあれば助かったかもしれない」と、川崎さんは救命救護の資格を取り、ボランティア団体に所属して、AEDの使用法の普及や運動時の救護活動に取り組んでいる。
生徒たちは昨年から福井県の川崎さん宅を訪れてインタビューを重ね、ラジオ作品を完成後、今度は映像作品の制作を進めてきた。
完成作品は約8分。沙織さんの幼いころからの写真やビデオを映し出すなか、川崎さんが「AEDは自分ではボタンが押せない。他人のためにボタンを押す心がないと生きない」と訴える。
ビデオは、これまでテレビ局に求められても提供していなかった。川崎さんは「軽い気持ちで使うつもりだったらお断りしたが、生徒たちの真剣な思いを感じられたので」と話す。
作品は7月末に行われたNHK杯全国高校放送コンテストで奨励賞を受賞した。放送部長を務める村田さんは「沙織さんの生前の姿が盛り込めたことで、昨年のラジオ作品では伝えきれなかった部分を伝えられた」と話している。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007081600102&genre=F1&area=K10
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